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天然食材(サプリメント,食品)の薬効

天然食材の薬効

天然食材の薬効:みなさんの健康にお役立つような、身近な食材(健康食品)の効能・効用を特集
みなさんの健康にお役立つような、身近な食材(健康食品)の効能・効用を特集します。


さやいんげん(莢隠元)

薬効: 便秘・整腸作用・疲労回復・糖尿病・免疫力向上・高血圧

食材の種類が少ない太古より、良質なタンパク質と
 幅広い栄養素で人々を支えてきた「マメな食材」

天然食材、食品:さやいんげん  いんげん豆は、メキシコのテワカン渓谷の遺跡(紀元前5000年頃)でその遺物が発見されたため、一般にはメキシコが原産地であると言われていますが、しかし自生種としては紀元前6000年前のものがペルーで発見されていますので、原産地をメキシコに限定せず、中南米とする方が適切であるかも知れません。さて、そのいんげん豆ですが、コロンブスの新大陸発見にともなって、16世紀にヨーロッパにもたらされ、その後アジアをはじめ、急速に世界中に広がっていきました。特にイタリアのトスカーナ地方にはいんげん豆の料理が多く、この地方の人たちのことを「マンジヤファジョーリ(豆食い)」と呼ぶほどです。なお中国には本草網目(1578年)の記載によれば16世紀後半に伝わり、華中、華北で多く栽培されましたが、華南、台湾へはかなり遅れて伝わっていったようです。
ところで「さやいんげん」と「いんげん豆」はどう違うの?という質問が出そうですが、実はこの2つは元々同じものです。簡単に説明しますと、完熟豆となったもので、豆だけを食すものが「いんげん豆」で、その未完熟なもの、つまり若いうちに収穫して莢(さや)も含めて食すものが「さやいんげん」と考えて頂いたら良いと思います。(莢隠元の「莢」は種子をおおう殻の意味です。)ただし、その後の度重なる品種改良によって、厳密にはその種は相当分化されています。

 「さやいんげん」はマメ科いんげんまめ属の1年草です。大きく分類すると、ツルがあるものとないものの2系統に分けられ、種類は非常に多く日本では200種類近くが知られていますが、全世界では1000種類以上あると言われています。日本での主な品種を上げますと、柔らかく独特な風味を持ち、関東地方を中心に一般的に食される「どじょういんげん(ケンタッキーワンダー)」、1980年前後に導入され、丸さやで細く小さい「サーベルいんげん」、さやが扁平でスジが少なく、味が濃いことで関西地方で好まれる「平さやいんげん」、茹でると柔らかく甘みが出る「モロッコいんげん」などが一般的です。現在では1年中出回っていますが、本来の旬は6月から9月です。(俳句の季語では初秋。)ちなみに2004年の全国収穫量は5万3千トン弱で、ここ数年は漸減傾向にあります。(さやいんげんに限らず、食糧の自給率は心配ですね。)

 「いんげん豆」は、日本には江戸時代の初期(1654年:承応3年)に、宇治の万福寺を創建した中国からの帰化僧の隠元禅師(黄檗宗[おうばくしゅう:禅宗の一流派]の開祖で、明の福建省の出身:1592〜1673)によってもたらされたと言われています。もっとも隠元禅師が持ってきたのは、近種の藤豆だった、という説もありますが、関西ではこの藤豆を隠元豆と呼び、逆に一般にインゲン豆と呼ばれているものを藤豆と呼んでいます。また収穫までの期間が短く、1年に3度収穫できることから「三度豆」あるいは「菜豆(さいとう)」とも呼ばれています。(短期間で、それほど手間を掛けなくても簡単に栽培できる作物なので、プランターなどで手軽に栽培する野菜としてお勧めです。)また伝来当初は「さや」の中にある豆(いんげん豆)を食べていましたが、江戸時代末期(19世紀後半)に「さや」が食べやすい品種が渡来し、その後明治初期に政府の勧業政策により、改めて欧米から新種が導入され、品種改良がなされた結果、現在のように「さや」ごと食することができる「さやいんげん」が市場に出回るようになりました。ちなみに昔は調理の時にスジをとっていましたが、現在では市場に出回っている90%前後がスジなし(ストリングレス)になっています。


彩りと栄養素のバランスが素晴らしい緑黄色野菜の名脇役

 さやいんげんは低カロリーで少量ながらも多彩な栄養素を持った緑黄色野菜です。まず可食部100g当たりに1.8g含まれているタンパク質の中で、際立った成分が2つあります。ひとつは細胞膜表面の糖たんぱく質や糖脂質と特異的に結合することができる糖結合性タンパク質であるレクチンで、免疫など生体防御機構や細胞間の相互作用において重要な働きをする物質です。このレクチンは免疫系を活性化するだけではなく、コレステロール調整作用、抗肥満効果、血圧上昇抑制効果、老化防止の働きがあると言われ、豆類やジャガイモ、アメリカヤマゴボウなどに多く含まれています。ふたつめは、タンパク質の構成要素である20種類のアミノ酸の中でも、特に私達が体内で合成することが出来ない必須アミノ酸(9種類)であるリジンの存在です。リジンは牛乳から発見されたアミノ酸で、脂肪燃焼に必要なカルニチンの合成原料でもあり、また体の組織を修復する働きやブドウ糖の代謝促進やカルシウム吸収とも深い関係があります。その他肝機能を向上させる働きや、ヘルペスや湿疹の改善、受精率向上にも有効とされています。天然食材、食品:さやいんげん ちなみにアメリカでは料理の付け合せとしてこの「さやいんげん」がよく使われますが、トウモロコシやパン(小麦)などをはじめ、穀物類にはリジンの含有量が極端に少ないので、実に理に叶った使用法ということになります。(日本人は古来より、大豆やその加工食品である豆腐や味噌などでこのリジンを補ってきました。)この他に「さやいんげん」にはビタミンAの前駆体であるベータカロチンが590mcg含まれています。

消化器系統で吸収されたこのベータカロチンは、肝臓に蓄えられ、必要なときに必要な分だけビタミンAに変わって目や組織の粘膜などに運ばれます。そして、皮膚や粘膜の抵抗力を高めたり、細胞のガン化を抑制するだけではなく、ベータカロチンそのものも活性酸素に対し抗酸化作用の働きをします。またビタミンB群として、B1、B2、B6やナイアシン、パントテン酸、葉酸など6種類のB群を含んでいますし、この他のビタ ミン類としてKやE、或いはCなども含有 しています。次にミネラルですが、体内の水分を調節し、むくみを解消するカリウムが260mg、また丈夫な骨や歯の素材であるカルシウムが48mg、それに体内の化学反応を担うさまざまな酵素のうち、300種類に関与しているといわれる亜鉛も含まれています。またマグネシウム、リン、鉄分、マンガンなど様々なミネラルのほかに、莢(さや)の部分には整腸作用や便秘の予防や改善に効果がある植物繊維が2.6g含まれています。こうしてみてみますと、概して「さやいんげん」の特徴は、個々の栄養素自体は少量ながら、多種多様な栄養素をバランス良く持っていることにあると言えましょう。

 さやいんげんの選び方としては、みずみずしく、肉厚で、緑色が濃く、ハリのあるものを選びましょう。また表面にシワやシミがなく、中の豆があまりハッキリ浮き出ていないもの(豆が浮き出ているものは、古くなっていたり、「さや」が硬いものが多い)で細めのものを選びましょう。また保存方法は、いたんだものがあったら他にも移りやすいので取り除き、風に当たってしなびないように、ポリ袋に入れて冷蔵庫の野菜室に保存しましょう。ただし、冷やし過ぎますと、低温障害で茶色に変色してしまいますので気をつけましょう。最後に農薬対策としては、流水中でこすり洗いすることによって表面の農薬は落ちますが、さらに茹でることで、内部から農薬が溶け出すので、通常の場合はこれで充分だと思います。

 食卓に彩りを添えてくれるだけでなく、控え目でありながらも、多彩な栄養素を持ったこの名脇役をご賞味あれ。

天然食材、食品:さやいんげん:ケンタッキーワンダー、サーベル 【1.ケンタッキーワンダー】主に関東地方に多く出回るいんげんまめの代表的な品種。どじょういんげんと混同されるが、ケンタッキーワンダーが元品種でどじょうはその分化系品種。
【2.サーベル】1980年頃に導入された丸莢のいんげんまめ。細身で短め(13〜15cm)なのが特徴。

注記: ベータカロチン(β-カロチン/β-carotene)は「日本食品標準成分表」では、β-カロテンと表記されていますが、本ホームページでは便宜上、現在一般に定着している発音、及び表記であるベータカロチンで統一して表記してあります。したがいまして、ベータカロチン(β-カロチン)は、ベータカロテン(β-カロテン) と同義語とご理解下さい。